～BioTector B7000で従来のCOD分析を改善

課題

ある国際的な乳製品加工会社の排水中の製品ロスは、工場の歩留まりを低下させるだけでなく、排水処理プロセスに大きなばらつきをもたらし、環境コンプライアンス違反のリスクと運用コストの増加を招いていました。

ソリューション

オンラインTOC計 BioTector（バイオテクター）B7000は、リアルタイムでオンライン全有機炭素（TOC）モニタリングを提供し、工場が流出を特定して是正措置をとるのに役立ちました。

ベネフィット

製品ロスの発生源を特定して対処することで、工場の歩留まりが向上しました。製品ロスの発生源を特定したことで、処理プラントの負荷のばらつきが減少し、コンプライアンスの遵守が容易になりました。処理システム内全体の有機物の削減により、コストが削減でき、さらなる節約が可能になりました。

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背景

コンプライアンス
この国際的な食品原料・香料・チーズの製造業会社が設備をアップグレードする際に最も重視したのは、下水処理場（WWTP）の運用を改善しながら、コンプライアンスの遵守をより確実に行うことでした。「私たちがBioTectorを導入したいと思ったのは、環境的およびビジネス的な理由でした。BioTector導入の最大の企業目標は、IPPCライセンス*の環境要件を満たすことと、工場の排水による製品ロスを減らすことで工場全体の歩留まりを向上させることです。」と環境マネージャーは述べています。BioTector B7000を導入する前、この工場は他の分析装置を使用していましたが、これらの分析装置は信頼性が低く、一貫性がないと評価し、排水負荷のモニタリングは複合サンプルに依存していました。しかし、環境マネージャーによると、その情報はリアルタイムではなく、24時間も遅かったといいます。この分析の遅れと信頼性の低い結果により、工場のコンプライアンスは危険にさらされていました。*IPPCライセンス：Integrated Pollution Prevention & Control Licence。統合的汚染防止管理指令指令96/61/EC（EU)

製品ロス
製品の加工環境では、ある程度の製品ロスは避けられません。下水処理場の運用を改善するために、同社は施設の1つにBioTector B7000を導入しました。B7000を導入する前は、製品ロスをリアルタイムで追跡できなかったため、必要以上に化学薬品の投与を行っていました。「私たちは、CODはすべて、パッケージや箱に入れられるべきだった製品ロスと考えています。」と施設運営者は言います。

このプラントの下水処理場のランニングコストの大部分はCOD負荷を削減するために必要な曝気によるものです。非常にエネルギーを消費するプロセスです。失われた生成物にはリンも含まれるため、排水のCOD（TOC計で測定し、COD値に換算）とリンの両方が高くなり、その結果、追加の処理コストが発生する可能性があります。生産部門のCODを発生源で削減することで、処理コストが削減されます。また、初期排水負荷が軽減されるため、工場が地域の河川への最終排水の排出制限値を遵守するのに役立ちます。

解決策と改善点

最初のBioTector B7000は、製品ロスや流出を検知するためにメイン排水管に設置されました。すぐに大変効果的であることがわかりました。しかし、メイン排水路で何が起こっているかを確認することはできましたが、製品ロスや事故を発生源まで追跡するには、追加のBioTectorが必要であると認識しました。

最初のBioTectorで信頼が高まり、1年後、同社はプロセス排出ポイントに10台のB7000を追加設置しました。各設備はSCADAシステムと統合され、BioTectorの測定やその他のさまざまな現場情報も一目でわかるようになりました。これにより、結果がリアルタイムにオペレーターのダッシュボードに表示され、製品ロスに対する是正措置のオーナーシップがプラントのオペレーターレベルまで引き上げられました。この成功事例により、会社には強力な商業的成果がもたらされました。「過去に使用した他の分析装置と比較し、BioTectorは信頼性と精度が高いです。」と施設管理者はコメントしました。

高CODの流れは2つの嫌気性消化槽に供給されます。24時間年中無休のプロセスで、過負荷が発生した場合は下水処理場の動作に影響を及ぼします。この施設は、この負荷をモニタリングし、制御を改善する上で、BioTectorが特に有用であることが分かりました。

冷却水も、排出する前にBioTectorシステムによって継続的に分析されます。BioTectorの情報はTOCの単位で表示されます。プロセス制御と意思決定はこれらのユニットを使用して実行されます。BioTectorが選ばれた理由を尋ねると、あるオペレーターは「堅牢性、信頼性、正確さ」と答えました。

商業的インパクト
BioTectorは、生産部門における製品ロスを削減することにより、プラント全体の生産量増加に貢献します。その結果、下水処理場のエネルギーコストも削減されました。これは、COD負荷の削減と下水処理場での曝気装置の設置の組み合わせによるものです。BioTectorを使用すると、リアルタイムのTOC測定と一貫して最適なパフォーマンスを達成するように体積流量を調整できるため、曝気プロセスの調整が非常に容易になります。

すべてのBioTectorにはベンチュリ式サンプラーが設置されており、その結果、分析用の排水サンプルの粘度に関係なく正確なサンプルを採取するシステムが実現しました。

BioTectorは、全無機炭素（TIC）の測定にも非常に役立つことが証明されています。無機成分は廃棄物処理場の ICリアクターからの排水（恐らく重炭酸塩である可能性）を介して発生する場合があり、これが汚泥の量と沈降に関して下水処理場に影響を与える可能性があります。TICをモニタリングすることで、下水処理場オペレーターはアプローチを調整し、必要に応じてフィードバランスタンクを調整することができます。特にICリアクターから出る排水の可視性が大幅に向上しました。

結論

チームがTOC測定に自信を持てるようになったことで、工場の生産部門は下水処理場への出力をよりよく把握でき、負荷に対してより責任を持つようになりました。全体的なビジネス目標を達成するために、すべてのチームがより連携して取り組んでいます。

環境マネージャーはBioTector B7000の経験を総括してコメントしました。「もう元に戻ることはできません。非常に使いやすく、必要な情報を必要なときにすぐに得ることができます。また、BioTectorマニュアルサンプルシステムでサンプルをクロスチェックする機能は素晴らしいです。BioTectorを導入する前は、サンプルのCODを分析するのに最大3時間かかりました。現在、TOC測定にはわずか7分しかかかりません。全体として、製品ロスのレベルは低下し、工場の歩留まりが向上しています。」

まとめ

BioTector B7000により、この乳製品施設は次のことが可能になりました。

• 有機物の流入量に関わらず、規制要件を満たす。
• リアルタイムで有機物に対する化学薬品投与量を測定し、最適化する。
• 工場の歩留まりを向上させ、製品ロスを軽減する。