シリカは、二酸化ケイ素(SiO₂)または鉱物石英として知られます。ケイ素(Si)の誘導体化合物で、地殻の約59%、砂の大部分を構成しています。ケイ素は酸素と結合してケイ酸塩を形成します。これは鉱物の中で最もよく見られる組み合わせです。
シリカは、ほとんどの天然水中で溶存シリカまたは浮遊シリカ粒子として存在します。シリカは、食品や医薬品の製造、添加物、水のろ過など、多くの産業用途で使用されています。
シリカを測定する理由
ほとんどの水には、ケイ素とその誘導体であるシリカ(SiO₂)またはケイ酸塩(SiO₄⁻ や SiO₃2⁻)が豊富に含まれています。水中のシリカ濃度は通常30 mg/L以下ですが、100 mg/Lを超えることも珍しくありません。塩水や汽水では1000mg/Lを超えることもあります。
水中のシリカは工業用水に大きな問題を引き起こすことも
シリカやケイ酸塩は、水質調整剤、洗浄剤、腐食防止剤として水に添加されます。しかし、水中のシリカは、主にボイラーや蒸気を使用する工業において、深刻な問題を引き起こすことがあります。高圧・高温下では、ボイラーチューブや熱交換器にシリカの堆積が発生します。
このガラス状の堆積物は、熱伝達の効率を低下させ、装置の早期故障を招きます。また、蒸気タービンの羽根にシリカが堆積すると、効率が低下し、洗浄のためにコストのかかるダウンタイムが生じます。超高圧用途の場合、シリカの濃度を0.005mg/L(5 ppb)以下に抑える必要があります。水中のシリカを測定することは、脱塩装置の効率をモニタリングする際に有効です。シリカは脱塩装置の処理能力低下時に、最初に検出される不純物の1つのため、水中のシリカを測定することは、脱塩装置の性能チェックや効率をモニタリングするのに有効です。
シリカの分析手順と方法
シリカの分析には、高レンジ測定用のシリコモリブデンブルー法と低レンジ測定用のヘテロポリブルー法があります。ヘテロポリブルー法は、シリコモリブデンブルー法を拡張し、感度を高めたものです。
ハックのシリカ分析は「モリブデン酸反応性シリカ」を測定します。「モリブデン酸塩反応性:molybdate-reactive」または「モリブデン酸塩非反応性:molybdate-unreactive」という用語は、他の試薬やプロセスに対する反応性、またはその欠如を意味するものではありません。時にサンプルには、モリブデン酸塩と非常にゆっくりと反応するか、全く反応しないシリカが含まれることがあります。このような非反応性シリカは、溶解またはコロイドの形態で存在し、ろ紙を通過することができるとしても、モリブデン酸塩と反応せず、水中でどの程度存在するかは不明です。
「モリブデン酸塩非反応性」シリカは、炭酸水素ナトリウムのようなアルカリと加熱または融合することにより、「モリブデン酸塩反応性」に変換することができます。(詳細はStandard Methods 4500-SiO₂を参照)シリコモリブデンブルー法とヘテロポリブルー法の両方で、形成される色は元のサンプルに存在するモリブデン酸塩反応性シリカの量に正比例します。全シリカは、電熱原子吸光法(Standard Methods 3113B)、誘導結合プラズマ質量分析法(Standard Methods 3125)または誘導結合プラズマ法(Standard Methods 3120)を用いて分析により決定することができます。
様々な形態のシリカを区別するために「コロイド」、「結晶」、「イオン」などの用語が使用されていますが、立証することができません。
ハックは、全シリカについての解決策やサポートを提供しませんが、特定のプロセスアプリケーションにおけるシリカ濃度のモニタリングと管理を成功させるために必要な試験装置、リソース、トレーニング、ソフトウェアを提供しています。