ラボ用TOC計 QbD1200+
製品概要
HachのQbD1200+は、製薬業界における超純水や製薬用水から洗浄バリデーション、水道法や公衆浴場法の規制にかかる水道水、飲料水、井戸水、化粧品製造における水質管理や洗浄ラインの管理、UPS661によるプラスチック構成材料/包装システムのTOC試験等、幅広いTOC測定に対応したラボ用TOC計です。
具体的には、3局適合、PIC/S GMP、21CFR Part11、データインテグリティ対応など、各種ガイドラインや導入要件に対応しているため、規制対応はもちろんのこと、規制外の事項であっても自社内での品質管理に関連する社内標準書(SOP)の指標として、TOC値を定期管理・記録を正確かつ効率的に行うのに最適な装置です。
ラボにおけるTOC計測では、「試験前の準備に手間がかかる」「測定時間が長すぎる」「試薬のコストがかさむ」「TOC値のバラつきや不正確な値が出るなど、不安定」「1点校正ではリスクが高い」など、試験者の多くが様々な課題を抱えています。QbD1200+はこれらの課題を解決することで、試験者の方々の作業効率化に貢献し、信頼性の高い測定結果を提供します。
製品の特長
起動が早く、日常点検もスムーズ ~測定前準備にかかる時間を最大1/6に短縮
一般的なTOC計の場合、起動や日常点検、ライン洗浄、検量線試験にシステム適合性試験…と測定前の準備に2~3時間を要します。しかしハックのQbD1200+は、起動の応答性の速さ、酸化剤試薬のTOC値が100ppb未満であること確認するだけのバックグラウンドテストと呼ばれる日常点検の実施のみでよいため、起動の約30分後には計測の開始が可能となり、試験者の工程を大幅に削減します。
キャリーオーバー*自動対策がもたらす、時間と測定サンプル量の低減
QbD1200+は、例えば3ppmのサンプル3本を計測する場合、約18分で完了します。これに対し、他の多くのTOC計では約7~10分を要し、またキャリーオーバー対策のための棄却が必要なため、4本分のサンプル測定を行うことになります。結果、トータルで30~40分の計測時間がかかり、サンプル量もより多く必要となります。
1本あたりの測定速度の速さと、キャリーオーバー対策が実装されていることで、起動や日常点検等、計測全体の所要時間は、これまでの半分以下で完結できるようになった実績もございます。詳細はお問い合わせください。
*TOC測定における「キャリーオーバー」とは、前測定の残留がTOC計に残り、通常よりも高TOC値を示す現象です。
ダイレクトメソッドによるTOC測定(TC=TIC+TOC)で、100ppb未満の安定測定
日本薬局方に収載されているTOC測定には、2つの測定原理があります。
1. 総炭素量(TC)から無機炭素量(TIC)を差し引き、有機炭素量(TOC)を測定する方法
TOC=TC-TIC
2. あらかじめ無機炭素(TIC)を除去した後、有機炭素量(TOC)を直接測定する方法
TIC+TOC=TC
QbD1200+によるTOC測定は、TICの完全除去を行う機能を有しているため測定値の信頼性が向上します。また1の差し引き方式を利用する装置では、TIC値が不安定になることでTOC値にバラつきが出ることがあります。
データインテグリティ対応
キャリーオーバーの自動対策等の技術は、データインテグリティ対策にも有用です。試験者が分析装置の操作を行うことは、常に操作ミスやデータロスの発生リスクが伴うため、測定の自動化技術は試験データの高い信頼性につながります。データ信頼性とは、試し打ちや規格から逸脱した試験データ(Out of Specification)も記録として残しておく必要があります。ラボ分析装置の試験者が、試験データの未記録、データ変更や破棄がデータインテグリティに違反するリスクがあることを認識しておく必要があります。
QbD1200+で測定したTOC測定レポートや監査証跡等の記録は、QbD1200+内部に正確に記録・保存され、一切の変更・削除をすることができず、装置で取得したデータはPC端末等を介すことなく、直接LIMSサーバーに転送され、プリンタへも直接出力することが可能です。このため、PCに対する監査対策が不要であり、ユーザーIDごとのアクセス権限設定はもちろん、オーディットトレイルにも対応しています。
ラボに設置しやすいコンパクト設計
QbD1200+はラボに設置しやすいコンパクト設計です。
- QbD1200+本体:W320 x D507 x H410(mm)
- オートサンプラー:W366xD537 x H457(mm)
仕様
(オートサンプラー)W366xD537xH457 (mm)
カタログ・資料
-
-
医薬品工場 ラボ型TOC計 QbD1200 導入事例(注射剤工場 製薬用水TOC試験)
医薬品工場 ラボ型TOC計 QbD1200 導入事例(注射剤工場 製薬用水TOC試験)