飲料水は、河川、湖沼、地層、人工の貯水池など、さまざまな水源から供給されます。水源での処理方法は、水源そのものや水源に含まれる不純物によって大きく異なります。
原水に含まれる最も一般的な不純物の1つは、有機物です。原水中の有機物は、自然界に存在する有機物(NOM)と、汚染によって混入した有機物に由来します。飲料水中の有機物は、水の色、味、臭いを変化させます。さらに、消毒の過程で残留塩素が有機物と反応し、トリハロメタン(THM)やハロ酢酸など、発がん性のある消毒副産物(DBP)を生成する可能性があります。
DBPの生成を避けるためには、NOMを測定・モニタリングすることが重要です。原水中のNOMのモニタリングは、予期せぬ事象の最初の兆候でもあり、処理プロセスの能力を計算するのに役立ちます。有機物負荷のモニタリングは、波長254nmの紫外線吸収量を測定する方法が確立されています。紫外線吸収量は、NOMレベルのモニタリングに使用されます。
NOMを直接測定するための一般的なパラメーターは全有機炭素(TOC)であり、オンラインやラボで測定することが可能です。UV吸収は溶存炭素と二重結合炭素のみを検出するのに対し、TOCは水中の総有機物負荷を定量的に分析することが可能です。
飲料水中のTOC測定
飲料水中の有機物の最小化および除去プロセスをより効率的、効果的、かつ安全なものにするために、有機物は原水と最終製品で測定することが必要です。さらに、飲料水工場の複数の地点で有機物を測定することで、原水戦略、酸化プロセス、凝固プロセスを最適化し、地域社会の飲料水基準を高く維持するために必要なデータを提供することができます。