~中国(四川省)製薬業界向け検査機器メーカーの試験
背景
中国では、全有機炭素(TOC)測定時のデータの信頼性が厳しく要求されています。
中国の製薬会社にとって、信頼性の高い適合性試験とトレーサビリティを備えたTOC計は、重要な位置づけの装置となります。
さらに、低TOC標準サンプルを開発する場合、試薬水の純度、ガラス器具・サンプル容器の汚染、調製時の人的エラーなど、製薬業界が求める性能レベルを満たすため、非常に高度な汚染制御戦略を必要とします。 TOC計を使用することで、迅速かつ効率的に正確で安定したTOC測定ができ、高品質な標準サンプルの生産保証が可能となります。
この事例では、四川省にある製薬業界向け検査機器メーカーがハックのラボ用TOC計 QbD1200+を使用し、自社で開発した様々なTOC標準サンプルの各バッチに対して高精度の試験とデータ校正を行い、標準サンプルの一貫性とトレーサビリティを確保した際のデータをご紹介します。
アプリケーション
同社が開発したTOC標準サンプルの多くは≦2000ppbです。QbD1200+のカスタム検量線機能を用いて検量線を作成、範囲0~2000ppbで、直線相関R²≧0.999の性能指標を満たしました(図3)。また、精度(Accuracy)、再現性(RSD)についても、低濃度TOCサンプルの性能仕様を満たしていました(表1)。
さらに、TOC標準製品の試験と校正に加えて、研究開発プロセスで使用されるメスフラスコなどのガラス製容器の清潔さをQbD1200+で試験および検証しました(表2)。
まとめ
TOC計QbD1200+は、2021年10月の設置・試運転以来、順調に稼働しており、お客様は装置の校正、精度、安定性に満足されています。また、コントロールパネルは見やすく操作が簡単で、迅速かつ効率的にデータが表示されます。10.4インチカラータッチスクリーンのデザインも大変好評です。さらに、QbD1200+専用のオートサンプラーも同時に設置したことにより、夜間にも無人でサンプルを検査することができ、検査効率は大幅に改善されました。
関連製品:ラボ用TOC計 QbD1200+
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