
有機溶媒中で溶存酸素を測定する際に寄せられる質問と、その回答をまとめました。化学・石油、電子材料・半導体・電池、医薬品・原薬・ファインケミカルなどの分野における品質管理や、合成・重合・精製などのプロセス管理の現場で役立つ情報を掲載しています。
よくある質問
Q1:なぜ有機溶媒で溶存酸素測定は難しいのですか?
A:有機溶媒は水と比べて酸素の溶解度や拡散速度が異なります。一般的なDOセンサーでは、溶媒が膜に浸透して膨らみ(膨潤)、応答が遅れたり、電極が腐食して精度が低下するため、正確な測定が難しくなります。OrbisphereはPFAやPTFEなど耐薬品性の高い半透膜を採用し、分圧単位で酸素を直接測定するため、幅広い有機溶媒で安定した測定が可能です。
Q2:一般的なDOセンサーを使うとどうなりますか?
A:膜の膨潤や電極の劣化により、応答遅延や測定誤差が発生します。頻繁な校正や部品交換が必要になり、結果としてメンテナンスコストが増加します。Orbisphereは銀・金電極と高耐久電解液を採用し、長期間安定した測定を実現しています。水換算のppmなどの測定値は、有機溶媒中の酸素濃度を計測すると水との溶解度と異なるため製造・品質管理に適しません。
Q3:Orbisphereセンサーは何が違うのですか?
A:Orbisphereはポーラログラフィック方式を採用し、サンプル中の酸素分圧を直接実測します。PFAやPTFEなどの半透膜、SUS316やハステロイなどの耐薬品性ハウジング、銀・金電極の組み合わせにより、ほとんどの有機溶媒で連続測定が可能です。測定範囲や精度は装着する半透膜に依存しますが、0.1ppb~400ppm(対象試料が水の場合)まで対応可能です。
Q4:どんな有機溶媒に対応できますか?
A:アクリル酸、メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、THF、キシレン、スチレン、プロピレン、航空機燃料、NMP、ナフサ、塩ビモノマー、有機EL、レジスト液、MEK、ヘキサン、アミン、インキ・インク、食用油など、ほとんどの有機溶媒で測定実績があります。強酸・強アルカリ・高粘度溶媒はご相談ください。
Q5:防爆対応は可能ですか?
A:はい、防爆仕様モデル(3660EX、3662EX)は、ヨーロッパ規格ATEXおよび国際規格IECExの認証を取得しています。本質安全防爆システムとして、発火性ガス雰囲気中でも安全に使用できます。ただし、日本国内で防爆機器を使用する場合は、自治体や所轄官庁への確認が必要になる場合があります。設置前に必ず現場の安全管理規定をご確認ください。
Q6:測定範囲や温度条件は?
A:装着する半透膜によって異なりますが、液相で0.1ppb~400ppm(対象試料が水の場合)、気相で2.5ppm~1000%まで対応可能です。温度補正範囲は-5~+60℃、耐熱は最大100℃です。
Q7:高圧条件での測定は可能ですか?
A:SUS316やハステロイなどの耐圧設計モデル(20MPa)を選択することで、高圧反応器や精製装置にも対応できます。
Q8:連続測定とバッチ測定のどちらに対応していますか?
A:フローチャンバーを使用した連続測定や、ラボでのスポット測定・バッチ測定にも対応可能です。複数箇所の溶存酸素チェックにも最適です。
Q9:導入時に必要な付属品やオプションは?
A:流通セル、防爆ケーブル、SUS製センサーソケットなど、用途に応じたオプションを選択できます。
【関連情報】