概要
ドイツのシュトゥットガルト大学による独自の研究にて、化学、公共下水処理、食品・飲料、乳製品、石油化学精製、パルプおよび製紙業界から回収した24の排水サンプルを使用し、ハックのラボ用TOC計 QP1680とオンラインTOC計 BioTector B7000iの測定相関性を評価しました。
研究の目的
この独自研究は、産業分野別の実際のサンプルを使用して、2つの分析装置間のTOC測定における相関関係の有用性を示すことを目的として実施しました。
TOCは、さまざまな業界において、より重要な指標となりつつあります。ラボ分析とプロセスTOCモニタリングでは、それぞれ異なる目的と要件があり、ハックはそれぞれのニーズに最適なソリューションをご提供することを目指しています。
QP1680とBioTector B7000iは、ラボ分析とプロセスTOCオンラインのニーズに対応する優れたソリューションです。ラボ、プロセスという用途の違いに加え、これらの分析装置はTOC測定技術にも違いがあり、QP1680は高温燃焼酸化方式、BioTectorは湿式二段階酸化方式を採用しています。
多くの国々では、TOCの報告には燃焼式によるTOC分析が必要とされています。QP1680は、特に報告で燃焼式によるTOC測定が必要な場合、BioTector B7000iのオンラインTOCモニタリングを補完する重要なラボ用装置として機能します。
TOCのラボ測定の要件
報告と規制遵守には標準的な手法が求められます。この観点から燃焼酸化方式のTOC分析法は、承認、確立されており、標準操作手順の変更は必要ありません。
オンラインTOCモニタリングの要件
オンラインモニタリングの焦点はラボ分析とは異なります。堅牢性と信頼性が重要です。かつ、メンテナンスが容易で故障が最小限に抑えられた人手を介さないモニタリングが求められます。オンラインTOC計は、粒子や高塩分濃度にも対応可能で、多種多様な各種業界のサンプルに対して高い精度と再現性を維持する必要があります。
分析の設計と実施
ドイツ国内の6つの異なる産業分野を代表する排水事業者から、24の排水サンプルを収集しました。
化学(3サンプル)、公共下水処理(4サンプル)、食品・飲料(4サンプル)、乳製品(4サンプル)、石油化学精製(5サンプル)、パルプおよび製紙(4サンプル)。
どちらの分析装置もサンプルごとの調整は行っていません。また、すべてのサンプルは、独立した分析機関にて、同じオペレーターが同じ日に、同じサンプル前処理で測定しました。工業用サンプルに加え、各装置は公称TOCの10~80mg/Lの範囲のTOC標準液でテストしました。
テストに使用した2つのTOC計の仕様は、上記の表1に記載されています。
結果
QP1680とBioTector B7000iは、すべての産業のサンプルにおいて非常に良好なTOC相関性を示し、機器間相関係数(R²)の値は0.9959でした。独自研究の結果は、下記の図2、3、4でご覧いただけます。
関連製品:
ラボ用TOC計(TNb計)QP1680
オンラインTOC計 BioTector(バイオテクター)B7000i